INTERVIEW
既成概念を超えて描く、
「今」にふさわしい
空港のあり方。
2016年入社
経済学部 経済学科卒
既成概念を超えて描く、
「今」にふさわしい
空港のあり方。
関西国際空港の近くで生まれ、エアラインに憧れと親しみを感じながら育つ。就職先として意識するようになってからは、キャリアの可能性を大きく広げてくれそうな業務内容の豊富さに惹かれる。会社説明会の直前に足を骨折するが、松葉杖で訪れた会場でJAL社員のホスピタリティに感動。「こんな人たちと働きたい」と心に決める。
「人間として何が正しいかで判断する」
仕事を前進させるうえでは、さまざまな決断を迫られる。データや事実に基づいてロジカルに考えることも大切だが、最終的な基準に据えているのは「人や社会の役に立てるか」。お客さまはもちろん、従業員にとっても意義のある選択かどうか、常に自分の良心に問うことにしている。
私は、空港でのお客さまや手荷物の制度・サービスを企画する業務を担当しています。その中でも、最近はデジタルを活用した新しい空港サービスの推進に力を入れています。全国各地の空港現場に自ら足を運び、課題や改善点を確認したり、新しいテクノロジーの調査のため社内外、様々な方とコミュニケーションを図り、よりよい空港サービスの実現を目指しています。
弊社では2020年の羽田空港を皮切りに国内空港に「JAL SMART AIRPORT(*)」を展開してまいりました。これにより、手続きの時間や待ち時間が大幅に短縮され、お客さまによりスムーズな空港サービスを提供できるようになっただけでなく、空港で働くスタッフもその効果を実感しています。今後は、お客さまに空港到着後の時間をより有意義にお過ごしいただくために、「オフエアポート」を推進していきたいと考えています。「オフエアポート」は、空港到着後に必要な手続きを、空港到着前にWebサイトやアプリから事前に済ませ、空港での手続きを極小化する施策です。まず取り組んだのは「国内線座席の当日アップグレード」です。従来は空港到着後のお手続きが必要でしたが、2023年4月よりJAL Webサイト、JALアプリからお申し込みいただけるようになりました。アップグレードのお手続きがお客さまご自身で完結することで、カウンターの混雑緩和やお客さまの待ち時間短縮といった効果が出ています。また、カウンターでの作業が減ったことでスタッフは今まで以上にお客さまへ丁寧なサービスを提供できるようになりました。
(*)JAL SMART AIRPORT: ITの活用によるきめ細やかなヒューマンサービスと、最新技術の活用による効率的で快適なセルフサービスにより、JALが提供する新しい空港の形です。
「オフエアポート」の推進は、言い換えれば「セルフ化」でもあります。弊社はFSC(フルサービスキャリア)ですので、今まではカウンターで承っていたお手続きをお客さまに委ねてよいのだろうか、という迷いはありました。しかし、空港で「スムーズに搭乗したい」というお客さまのニーズが多いことをアンケート調査等で確認できていたことから、多様化するニーズに対して選択肢をしっかりご用意しようと考えました。2023年4月のリリース後、お客さまからご好評をいただいているほか、空港のスタッフからも「業務効率化につながった」と評価されています。嬉しかったですね。
私が配属された当時、プロジェクトはまだ構想段階でした。そこからシステムの仕様やスケジュールを詰めていったのですが、最も苦労したのは空港スタッフとのコミュニケーションです。新しいシステムが入ることによって、日々のオペレーションが変わります。私自身も空港での業務経験があるので、業務手順が変わることの大変さは重々認識していました。だからこそ、空港スタッフにプロジェクトの目的・背景・中身をしっかりと伝えなければならないのですが、システムが出来上がっていない状態では「何がどう変わるのか」という詳細をお伝えできず、イメージがなかなか伝わらない。粘り強く説明を重ね、空港スタッフの不安を払拭することに懸命でした。
共通の目標に向かってチームが一丸となれることです。とても熱い気持ちを持った人が集まっています。一人ひとりが自分らしい挑戦を大切にしながら、力を合わせることでより大きな成果を導いていくのです。社内のみならず、社外の方々とも協力しながらプロジェクトを推進するため、イノベーションが生まれやすいのもJALらしさだと思います。
入社した時から一貫して、自分の仕事が「役に立つこと」を意識して仕事をしています。オフエアポートの推進は、お客さまと空港スタッフの両方にメリットをもたらす、まさに「役に立てる」プロジェクト。リアクションが見えやすい点も含め、私にはうってつけの仕事だと思っています。「便利になったね」という一言をお客さまからいただくために、これからも挑戦を重ねていきます。
「デジタルを活用した新しい空港サービスの推進」をはじめとしたさまざまな取り組みを通じて、空港の利便性を向上させていきたいと思います。時間をかけて成熟してきた空港業務ですが、だからこそ「今まではこうだったから」という固定概念に陥りやすいとも言えるのではないでしょうか。前例に倣うだけでなく、変化し続ける環境や情勢を見極めながら、「これからの空港はどうあるべきか」を考えたい。そして、勇気をもって行動に移していきたいですね。