INTERVIEW
緻密な「飛行計画」と
冷静な「飛行監視」で
JALの安全・安心な
空の旅を確保する。
第5運航管理 統制グループ
2017年入社
理学部 応用数学科卒
緻密な「飛行計画」と
冷静な「飛行監視」で
JALの安全・安心な
空の旅を確保する。
大学で数理統計を専攻していたことから、データを用いて意思決定していく仕事に就きたいと考え、幅広い業界を見て回る。その中でJALへの入社を決めた理由は、社員の新しいことにチャレンジする姿勢とサービスの品質の高さに惹かれたから。
「スピード感をもって決断し行動する」
航空機の運航においてイレギュラーが発生した場合、運航管理者は目的地の変更や出発地への引き返しなどの判断を迫られる。過去に経験したことのないイレギュラーの際にはプレッシャーを感じることもあるが、地上の責任者として決める勇気を持って、スピーディーに決断することを心掛けている。
私が所属するオペレーションコントロール部は、世界中を飛行するJALの航空機の運航を管理する部署であり、1日約1000便の運航を24時間365日体制で集中管理しています。その中で私は運航管理者として、国内・国際短中距離路線の「飛行計画」「飛行監視」を担当しています。具体的には、気象状況、航空機の整備状況、離着陸重量などの情報を収集・分析し、最も効果的な運航となるよう、搭載燃料や飛行経路を決定しフライトプランにまとめ、そのフライトプランに沿った飛行中に、天候不良や機材不具合などのイレギュラーが発生した際に地上から運航をサポートします。目的地への飛行継続が困難となる場合には、目的地の変更や出発地への引き返しなどの運航方針を、飛行中の機長と協議し決定する役割を担っています。
運航管理者の仕事は、そもそも航空機がなぜ飛ぶのか、航空機のどんな不具合がどう飛行に影響を与えるのか、気象状況の変化をどう読むのか……など、専門知識がないと判断できないことばかりです。そのため国家資格、社内資格を取得しなければ、運航管理者にはなれません。資格取得には最短で3年かかるため、その期間はいわば見習い期間。現場で先輩の運航管理者の指示を受けて業務に取り組みつつ、路線ごとに異なる、「飛行計画」「飛行監視」のあり方を学び、同時に資格取得に向けて勉強をする日々でした。資格を取得し、運航管理者としてスタートしたのは入社4年目のことです。JALでは運航管理者になるための教育カリキュラムは、きめ細かく設けられているので、事前知識がなくても安心して取り組めました。
運航管理者として自分が運航に関する権限を持っていることです。そのため自分で決めたことがダイレクトに結果として返ってくるのが大きなやりがいです。日々の安全運航や定時運航を堅持できたときはもちろん、イレギュラー時の緊迫した状況ではタイムプレッシャーも感じますが、それもまたやりがいに。今では心臓に毛が生えている感じで、ちょっとやそっとのことでは動じず、すぐに打開策を考えてスピード感を持って判断しています。
オペレーションコントロール部には、この道20年、30年のベテランの運航管理者の方々がいます。しかし、自分が任されている時間帯の判断はあくまでも私の役割。先輩の方々に相談しながらも、最終的に決めるのは私です。先輩の考えを聞いた上で、それとは違う、自分が考えた方法を実行することもあるし、それが求められる仕事でもあります。それくらい先輩運航管理者の方々とフラットに意見交換し合える環境であり、自身の発言が尊重される環境であるので、働きがいを実感します。
新千歳空港における大雪により、滑走路が突如閉鎖される事態が発生した時のことです。当日、私は降雪が強まることは想定しており、通常よりも燃料を多めに搭載し運航することを決定しました。新千歳空港に強い雪が降る際は2本の滑走路を交互に除雪し、使用する滑走路を交互に入れ替えながら、航空機の到着指示を出します。この日もこの方法で到着できるだろうと判断したのです。ところが、当初の想定を超える大雪により急遽、2本の滑走路が同時に閉鎖される事態に。既に新千歳空港に計8機が向かっており、そのすべてが新千歳空港に着陸することができず、上空待機となる状態になりました。そこでやるべきことは、どこに航空機を向かわせることがベストなのか、各空港の滑走路の状況や気象に関する情報を収集・分析し、各便の残燃料や現在地をふまえ、運航方針を決定していくこと。私が悩めば悩むほど燃料が減り、選択肢が限定されるため、できる限り迅速な判断が必要である一方、拙速な判断をしてはいけません。大変な重圧がのしかかりました。
刻々と変化する状況の中で、迅速に的確な判断を地上の責任者として下す。その責任を胸に、各便の機長と話をしながら運航方針を決定し、さらに周囲のメンバーを指揮して、航空機を向かわせる空港へのアナウンス、お客さまへの対応などを実行。その結果、全運航便を無事にハンドリングできた時は大きな安堵感を覚えました。こうした事例に関しては後日、機長や空港のスタッフと話をする中で振り返りを行い、今後のより良いハンドリングにつなげています。JALの運航の品質の向上させていくためにはそうした知見の蓄積が重要だと思っています。
※業務企画職における現コース区分は2023年3月より新設したものであり、掲載社員は記載のコース名では入社しておりません。
各社員のコース名は、現在の業務内容と最も関連が深いものを参考として記載しております。
また、コースは部署と明確に紐づいているわけではなく、あくまで「キャリアの方向性」を示すものです。
コースの考え方については、職種紹介(業務企画職)をご確認ください。
コロナ禍により便の運航が減り、期せずして余力が生まれた中で、改めてこれまでの業務の仕方を見直し、より良いものに変えていこうという意識が社内において強まりました。特に運航の現場においては、運航乗務員、整備士、空港のスタッフ、そして運航管理者で改めて腰を据えて日々のオペレーションに関して議論をする機会が増え、私個人としても航空運送に関わる視野がより大きく広がったと実感しています。今後は、入社以来一貫して日々の運航に関わることで得た運航管理の知見と、各現場のプロフェッショナルと議論することで得た視座を生かして、JALが提供する運航品質を最高のものにしていきたいです。