先崎 辰彦|社員インタビュー|仕事・人|新卒キャリア採用サイト|JAL

INTERVIEW

「乗っているのが、
自分の子どもなら?」
常にお客さま目線に立つことで、
最高の航空会社を目指す。

自社養成パイロット
SENZAKI Tatsuhiko
787乗員部 兼 運航企画部 リソース戦略グループ
副操縦士

2008年入社
工学部 機械工学科卒

CAREER STEP

  • 2008年:運航乗務員訓練生として入社し、伊丹空港で国内線グランドスタッフ業務を担当
  • 2009年:訓練部に入部
  • 2010年:業務企画職へ職種変更。羽田空港フライトオペレーション部に配属
  • 2014年:運航乗務員訓練生へ職種変更
  • 2017年:ボーイング737型機副操縦士に昇格
  • 2020年:ボーイング787型機に機種移行
  • 2021年:運航企画部 リソース戦略グループにてパイロットの採用業務を兼任

REASON

小学5年生の北海道旅行でパイロットのかっこよさに衝撃を受け「パイロットになる」ことを決意。大学生になってパイロットと食事をする機会があり、さらに志望度は上昇。内定の電話を大学の研究室で受けたときは、歓喜で飛び上がった。

PHILOSOPHY

「常に謙虚に素直な心で」
パイロットになる過程では、非常に厳しい訓練が待っている。晴れて副操縦士になってからも、機長からアドバイスをもらうことが多々ある。どんな時も素直な心を忘れずに、指導やアドバイスを受けとめ、自分なりに咀嚼して糧にすること。それこそが成長への最短距離だと思っている。

前日からの綿密な準備で、
質の高いフライトを実現

現在の仕事内容を教えてください。

ボーイング787型機の副操縦士として、社内規程に定義されている「運航の方針(安全性・定時性・快適性・環境配慮・運航効率)」を高いレベルで実現し、お客さまや貨物を目的地にお運びしています。その上で最も重視しているのは、フライト前の準備。準備をどこまで徹底できるかによって、フライトの質が決まるといっても過言ではありません。フライトに関する情報収集を綿密に行う他、一緒に乗務する客室乗務員や関係部署とも固く連携しています。また、自社養成パイロットの志望者を対象にしたインターンシップの企画や運営にも携わっています。

フライトの準備は、どのような流れで行われるのですか。

フライトの前日は、できる範囲で情報収集を行います。支給されているタブレットを使って当日の天候を詳しくチェックし、使用する滑走路や進入方式をイメージするのです。当日は少し早めに空港に向かうようにしており、実際の天候を見て事前イメージを修正します。運航乗務員のショーアップタイム(集合時間)はフライトの約90分前で、ここで機長と顔をあわせ、ブリーフィングの中でイメージの擦りあわせを行います。

競い合うのではなく、助け合う
それがパイロットを成長させる

2年前に、ボーイング737型機からボーイング787型機に機種移行しています。どんな違いがありますか?

一つ例を挙げると、その機種が就航している路線によって大きな違いがあります。ボーイング737型機は主に国内線に使用されていたので、短い距離を頻繁に飛んでいました。対するボーイング787型機は、国際線で長距離を飛ぶことが多い機種です。ボーイング787型機はボーイング737型機と比べて経験できる離着陸の回数が減ってしまうため、一つ一つのフライトを大切にしながら学びを増やそうという意識がさらに強くなりました。
一緒に乗務する機長たちに比べると、まだまだ私はフライトに対してのイメージが限定的で、想定外の事象が起きたときの引き出しも少ないことを痛感しています。フライトを通じて、もっと成長していかなければと思っています。

パイロットの成長は、どのようにしてもたらされるのでしょうか。

私が大切にしているのは「お客さま目線」です。「もしも自分の子どもが乗っていたら、どんな高度を、どんな速さで飛ぶだろうか?」――そんな想像からお客さま目線に立ち、自分の課題を見つける手がかりにするとともに、その道のプロフェッショナルとして冷静な視点を持って業務にあたっています。また、同期のパイロット同士で知識を共有したり、それぞれが機長から受けたアドバイスを教え合ったりもしています。例えば成田空港では、夕方に戻ってくる便のパイロットたちが自然と集まって、話し合っている光景がよく見られます。実はパイロットには、競争意識がありません。極めて大きな責任を背負う仲間同士、助け合っていく姿勢。だからこそ、知識や経験の共有が上手いのかもしれませんね。

就活で初めてパイロットを志す
それでも、遅すぎることはない

これまでの経験で、最も印象に残っていることを教えてください。

アメリカでの訓練経験が、強烈に焼きついています。特に、初めて一人で小型のプロペラ機を飛ばした「ファーストソロフライト」では手も声も震えが止まらないほど緊張しましたが、あの達成感は例えようもありません。経営破たんの影響を受け、私は30歳を過ぎ、結婚して子どもが生まれたあとに訓練を受けています。厳しい訓練に一緒に立ち向かった7人の同期は、本当に大切な仲間です。仲間のおかげで1年4カ月に及ぶ訓練を乗り越え、帰国した際に成田空港で2歳のわが子が花束を持って迎えてくれた瞬間も、やはり忘れることができません。

同期の皆さんも、先崎さんのように子どもの頃からパイロットに憧れていたんでしょうか。

いえ、同期の半分以上は、就活の時に初めて、パイロットという職業を意識したようですね。学生の皆さんにお伝えしたいのは、私のような筋金入りのパイロットファンではなくても、ちゃんとパイロットになれる道があるということです。同期に比べれば多少は予備知識があったはずですが、先ほどお話ししたようにパイロットは共有が上手く、すぐに情報レベルが揃ってしまいました(笑)。厳しくも手厚い訓練も用意されています。自分だけで向き・不向きを判断してしまわずに、少しでも興味があればぜひパイロットの世界に飛び込んでいただきたいと思います。

CHALLENGE

航空業界は、新型コロナウイルス感染症により大きな打撃を受けました。しかしそれは、はるか遠くまで迅速にお客さまや貨物をお運びできる、空輸の強みを再認識する機会でもあったかと思います。その強みをさらに発揮しながら、お客さま目線を決して忘れることのない、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛されるエアライングループ」を目指し続けたいと思います。そして私自身は、数年のうちには機長に昇格し、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛されるエアライングループ」の一翼を、文字どおり担うことができればと思っています。

1 Day Schedule

国際線乗務の一例

  • 8:35 成田空港へ出社。
  • 10:20 出発。4人乗務で15時間のフライト。
  • 17:20(日本時間1:20) フランクフルト着。現地に2泊し、帰着便に乗務して帰国。計4日間。

国内線乗務の一例

  • 13:15 羽田空港へ出社。
  • 14:40 羽田−秋田行きに乗務。
  • 16:45 秋田−羽田行きに乗務。
  • 19:15 羽田−福岡行きに乗務。
  • 21:25 業務を終了し、福岡市内のホテルに宿泊。